芥川龍之介『トロッコ』のはなし

中学の国語で芥川龍之介の『トロッコ』を扱った。
しまいの1文について、
「(当時は線路沿いに進みさえすれば帰り着けたけど、)大人の自分の脳裏に続く雑木林は実際に果てしない。
(だから不安や心許なさの象徴として思い出されるのだ)」
と読解を教わり、瞬間この『トロッコ』という題名が強烈に心に焼き付いた。

『トロッコ』本文の内容は早々にほとんど忘れてしまったが、
終わりの見えない苦労、果てしない不安、その象徴としての線路が奥に奥に消えてゆく夕闇の雑木林イメージ…は何年経っても覚えていて、
引用 というより「トロッコ」の1単語に仮託して文中に使う事も何度かあった。

そして社会に出てからは、自分自身の実態的な実感として
事あるごとに『トロッコ』の雑木林を脳裏に視ている。
果てはないけど藪の闇は暗さを増す一方だけど、良平と同じようにたった1人でひたすら走り続けるしかないのだ

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